眠れない夜。
 
あまりに夜が長く、コトバに飢えていたりすると
 
自分へのトラップって分かっていながら、踏み込む場所がある。
 
 
   ヤメトケ
 
 
アタマで警鐘を鳴らしながら、もう片方で言う。
 
 
   モウ、ダイジョウブ
 
 
 
いろんな人に支えられて、いろんな人に助けられて
いろんな人に見守られて、あたしはここまできた。
もう乗り越えてる。新しい恋愛だってしてるもの。ダイジョウブ。

興味っていう欲求に負けて、あたしはそこへ踏み込む。
 
入る必要のない、その場所へ。
 
 
 
 また、後悔することになるかもしれない、その場所へ。
 
 
 
***
 
 
 
そこへは簡単に入れないよう、自分なりに遠ざけてあった。
見たら傷つくから。ヘコむから。
誰に教えられたってわけじゃない。自分で自分を守る方法。

でも行けないわけじゃない。手順はちゃんと覚えてるもの。

 
 
ひとつずつ、辿っていく。

傷ついた過去を思い出しながら。
 
 
***
 
  
 
開いたページに浸ることなく、奥へ進む。
ここに感情を持ち込んだらキケン。
過去の経験より学んだこと。
進むことに意味など考えず、あたしは歩く。
 
 
 
                     本当は入る必要なんてないのに。 
 
 
まるで儀式を行うように、進む。
 
 
 
***
 
 

出てきた場所は、考えようによっては刃であり、 
考えようによってはフォントを駆使してみただけの、つまらない場所だった。

ムカシから知っている、表向きの顔。
そこからホントウは見えない、見せかけの場所。

 
 
 
変わってないな。
そう感じた。
それだけ。
 
 
感じたカノジョの存在。
別にどうでもよかった。

  あぁ、まだ続いてたのね。
 
それだけ。 
 
 
***
 
見たのが「今日」でよかった。
だって、ダイジョウブだったから。
もう、サヨナラだよ。
バイバイ。
 
思い出す恋愛。
いい質だった恋愛。
あたしの中で最高級の恋愛だったと思うけど
バイバイ。
 
きっとまたいつか、アナタを思い出すだろう。
きっとまたいつか、アナタを感じるだろう。
でも、あたしの中の過去。
 
この広いネットの世界にいるあたしとアナタ。
もう永遠に交わることはないでしょう。
もし、アナタがこれを読んでたとしても、それはそれ。
もし、あたしがアナタを読んだとしても、それはそれ。
一瞬が触れた、点でしかない。
 
 
 
サヨナラ。
触れたいけど、触れない。
触れたらきっとまた、アナタに惚れてしまうから。
 
サヨナラ。
違う世界を歩くアナタへ。
 
 
 

                       カラダだけは、ムリしないでね。
 
  
 
 

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