大切な日。

2005年7月10日
3年前の今日、大切な人の命が消えました。
長くはない、と知った日から散々泣いていたあたしはその当日、
不思議と涙が出ず、変なのー と思ったのを今でも覚えてる。
 

今年3月に他界した祖母の命日すら覚えられないあたしは
何度となく手帳を見返しては、今日の日付を確認してたんだけど
きっともう2度と忘れないんだと思う。
そんな気がした。
 
 
3年の間に一度だけ、枕元にたったことがある。
去年の春。トナリにはアノ人が寝ていた。
でもそれはシアワセな構図なんかじゃなくて、裏切りを重ねた後の
アノ人をもう受け入れられないかもしれない、そんなことを考えていた時期だった。
すごく大切ですごく大事だけど、好きとは違うかもしれない。
でも長い年月を捨てきれずにいたときだった。
 
   「ひなはひなの好きなようにしていいよ」
 
それが迷っていたあたしへの、メッセージだった。
 
 
あたしのこと怒ってもいいのに、すごく優しかった。
 
 
 
      思ったよりけろっとしていたあたしは病院をあとにして梅田へ行った。
      たしか行ったと思う。行きたかった。
      トナリでアノ人が驚いていた。
      平日の昼間。
      券売機の前のシーンしか覚えていない。
 
 
去年あたしが弱っていたとき、実は毎週のようにお寺へ行って話しかけていた。
きっかけはお盆だったと思う。
電車でしか行ったことなかったけど、自転車で簡単に行けることが分かったから。
 
 

初めてお寺に行ったとき、行かなきゃいけないってアタマで思いながらも
ココロがずっと重かった。
うまくコトバにできずに、ただココロが重かった。
駅に着いてからごねたりして、機嫌がすごく悪かった。
引っ張られるようにしてお寺の門をくぐったんだ。

そして、お経を聞きながら、また 泣いた。

「自然と涙が流れる」ことを生まれて初めて体験したのもこのときだった。
それからも何度となく行ったけど、やっぱりナミダは自然と流れた。
不思議な場所だった。
 
 
 去年も何度も泣いた。
 でも強くなるって決めた。
 今日は泣かなかった。
 ちょっと、うるっ てなったけど、泣かなかったよ。
 
 
行き慣れた道を自転車こいだ。
途中で花を買った。
立派なもんじゃなかったけど、ガーベラとミニひまわりと、薄青い花。
仏花は暗くなるからやめた。
だってきっと喜ばない。
そして好きそうなお菓子を買った。
お寺に行くのは、なんだかんだで久しぶり。
こうやってなにか選ぶのも久しぶりだった。

行かなくちゃ。

ずっと前から、今日の予定はこれだけにしてあった。

行かなくちゃ。
 
なのにずっと寄り道ばかり。
時間だけが遅くなるよ?

着く直前に思い出した。
あぁ、この感覚。
初めてお寺に行ったときと同じだ。
 
ずっとココロが重かったんだ。
 
 
会社の外階段から、お寺の最寄り駅の駅ビルが見える。
通るたびに、あたしは今も話しかけている。
 
ねぇ、あたしは強くなったかな?

よく、見守っていてください ってみんな言うけど
あたしはいつも違うことを言っている。
 
 
     元気ですか? いっぱい笑っていますか?
 
 
あれからもう3年。
きっとこの日をもう忘れない。

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