涙もろい

2005年12月5日 ふと。
 
 
高校のときの大好きな先生。
ずっと憧れてた先生の授業は
3年生の生物を選択してようやく受講できた。
 
その話はどれも魅力的で
一字一句忘れたくないと思っていた。
このときのノートは宝物。まだずっと実家にある。
入試の即戦力となりにくい「生物」という科目。
先生はアメリカの生物の教科書を使ったり
マニュアルにはない授業をしてくれていた。

ずっと先生のお気に入りになりたかった。
卒業してからもなにかと先生のトコロに通っていた。
合格した大学の進路も先生に相談したくらい。

大学1年のときの高校の文化祭。
校長になった先生は気さくに校長室に入れてくれた。
そして学校をこうしたい、という夢というか使命と
自分自身の夢を穏やかに語っていた。
2,3年したら、人生最後になるだろうけど行きたいんだ、と。
 
 
先生はアデリーペンギンの研究者だった。
何度か南極へ行き、調査をしていた人だった。
黒板にすらすらと描くペンギンの絵はとても優しく、正確だった。
校長になってからは教壇に立つことはなかったそうだが
いつでもその話は人に主張を押し付けるものではなかった。
そしてまた、南極に行きたいと語っていた。
 
 
 
文化祭の翌月、センパイからデンワが入った。
 
  先生の訃報だった。
 
あまりに突然の連絡だった。
 

あたしは生まれて初めて、礼服を買った。
 

+++
 
 
あれから7年。

会社の勉強会でプロジェクトXのビデオを見たの。
旭山動物園の復活の話。
飼育員とか色んな人の、動物への愛情が伝わったよ。

園内を歩くペンギンのVTR。

 ねぇ、先生。
 こんな動物園ができてたよ。
 皇帝ペンギンは大きくて、羽はとても頑丈なんだよね。
 バタバタさせてるとこに迂闊に近づくと足の骨、折れちゃうんだよね。

 きっと先生もこんな動物園を見たかっただろうね。
 
 
 
なんだか涙もろくなったなぁ〜 と感じたの。
そして涙もろいことを思い出した、ただそれだけ。

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