春の嵐

嵐は突然、やってきた。


週始めなのにゆっくりめな出勤でよかったアイちゃん（朝礼がなかったらしい）と
朝は一緒に出勤。玄関の前で、じゃあねってお互いのチャリに乗る。
向かう方向は違うから、ここでお別れ。
あたしは１日ぶりの、職場へ向かう。
異動して２週目になったあたしは、さすがにちょっと流れが分かってきて
自分がやるべき仕事を考えて「今はこれをやっておきますね」ってボスに言えるようになった。
今の職場は商品の発送がメインなので、午後はバタついてて忙しい。
午前午後と自分なりに仕事を割り振って、ようやくスマートに仕事ができるかな、と思い始めた矢先、
それは午後１４時前くらいに、突然起こった。

ボスに突然、社長室へ行くように言われた。
呼ばれたってことは人事的なことだよね。
そう思いながら社長室へ入った。

前の部署へ異動して欲しいってことだった。
どうやら、古畑さんと森口さんじゃ回らなかったらしい。
しかもなんと、４月１日付。。。。。！！！
異動は想定内にしても、ちょっと早すぎじゃないですかい！？？？
社長の前では、分かりましたとしか言えなかったけど、あたし的にだいぶ動揺。
しかも４月から森口さんは隣のチームへ異動らしい。
やや、異動も聞いてはいたけど、こんな早くじゃなかったはず・・・・・！！！
いきなり４月から営業第２チームの事務を１人でやれだってさ！！！
いきなり森口さんの代わり。いきなり１人。
うわーん！！！
ひな、パニーック！！！

社長室を出て、部署に戻ろうとしたらボスが会議室に１人でいたので思わず報告。
って、ボスは事前に聞いてた話だけど・・・
せっかくこれからいろいろ教えてもらおうと思ってたのに。
せっかくボスからも期待されてたのに。
もっともっとここで勉強したかったのに。
ボスもしょうがないとはいえ、やるせない思いがあるみたい。
あたしのパニックを、うんうんってしっかり聞いてくれた。

実はこの数時間前、お昼休み。
前にカラオケに行った仲良し派遣さんからも「早く戻ってきて」って言われていた。
森口さんがあまり好かれてないのは前にも書いたと思うんだけど
あたしがいなくなったことで、隣チームの営業事務のボス新田さんの愚痴がひどいんだって。
新田さんは森口さんが嫌いなんだけど、派遣さんは新田さんの隣の席なのね。
ずーーーっと、ぶつぶつ言ってるのを聞いてて、嫌なのー！！って嘆かれた（苦笑）
あたしも板ばさみだけど彼女も板ばさみ（汗）
早く戻ってきて！！！って懇願されたとこだったの。
期せずとも戻ることになったよ。。。
言ったらすんごい喜ばれたｗ

この人事異動はあっという間に社内に広まり（狭いしね）
夕方には周知の事実になった。
戻ることは覚悟してたとはいえ、今の部署へ嫌々来たわけじゃないあたしとしては
名残惜しさばかりが口に出る。
そしてまだまだ未熟なまま前の部署に戻ることへも、正直申し訳ない。
あぁぁ、切ない。
そしてある人からは「森口さんから、ちゃんと引継ぎ書を作ってもらうように」と言われ、
森口さんからは「時間がなくて引継ぎ書も作れない」と言われ。
でもそれは怠慢だから残業してでも作ってもらえと言われ、引継ぎだけでも板ばさみ。
あたしはどっちの主張も分かるのよ。
書面にないと「言った、言わない」になるし、業務も滞るし、引継ぎ書はたしかにほしい。
でも自分のやってる業務を書面にまとめるのってすごく難しい。すごく大変。
どっちも分かる。どっちも大変なの。でも理想も分かる。

月初に異動ってほんとに大変だから、定時後に森口さんのところへ行った。
少しでも口頭で引継ぎをしようと思って。
周りからは猛反対されたけど。
そしたらまだ仕事が終わっていないらしく、あたしの分かる範囲での仕事を頼まれた。
この伝票を打って欲しいって。完全に引継ぎじゃなく、日常業務。
あたしは手伝うために行ったわけじゃない。
その仕事はやったけど、やったことで仕事の感覚を取り戻したけど
聞きたかった仕事はそれじゃないんだよねぇ～
森口さんのいいところは、絶対人の悪口を言わないところ。
そういうところが大好きだった。
だから、あたしは森口さんを嫌いになれない。嫌いにはなりたくない。
だからここにだけ、あたしの「？」を書かせてね。


嵐は１日に本格的に吹き荒れる。
あたしはそれに流されるだけ。
期待されることは有難い。
望まれるうちは、できる限りのことをしよう。